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もっと読む:[デジタル+オフライン] BtoB企業のための マーケティングコンテンツ制作ガイド

はじめに

 この本のテーマは「BtoB企業の “売り方改革” を実現する」です。読者の想定は「営業に課題を感じているあらゆるBtoB企業の経営層、そして現場担当者」の方々です。

 “売り方改革” とは「従来型の非効率で属人的な営業手法をアップデートして、見込み顧客に見つけてもらい、選んでもらい、継続した売上を作る仕組み化」を指します。世の中で “マーケティング” と呼ばれている活動です。

 私・宮崎晃彦はBtoB企業の“売り方改革” コンサルタントとして活動しています。
対象のお客様企業は外資系、国内、業種業界も組織規模感も売上高も、多種多様。マーケティングご担当者、営業部門の責任者からご相談をいただく機会が多いですが、近年は経営層からのダイレクトなご相談も増えています。
 また、寄せられる相談事も、新規事業の立ち上げや新製品の販売といった“わかりやすいきっかけ” が存在するもの、具体的なコンテンツを作成したいというものもあれば、「なぜだかうまくいかない」という漠然とした営業、販促のお悩みまで、課題の顕在度合いもレベル感もさまざまです。
 ただし、いずれの相談ごとも共通しているのは、

  • BtoCではなくBtoB企業である
    Webだけで簡単には購入いただけない高度で複雑な商材を、複雑な商流で取り扱っている
  • 既存の営業活動に限界を感じている
    新規顧客の獲得、既存顧客の再耕、拡販、販促を行いたい
  • 従来型の営業手法を見直したい
    属人的にならず、効率的に継続できる仕組みが欲しい

ということです。
 本書では、実際に私がコンサルティングしてきたこれらの相談ごとの解消方法=「売り方改革」をご紹介します。

デジタルツールの導入だけでは解決しない!
巷で言われる「Bt oBマーケティング」の落とし穴

 これまでの日本におけるBtoB取引では、商談現場で活躍する営業スタッフのスキル、経験値、お客様との対面での関係性で商談を創出し、新規取引先を獲得して、売上を作ってきました。しかし、ここ数年の環境変化で、そのやり方が通用しなくなりました。

 ここ数年の「BtoBマーケティング」の盛り上がりは、その課題を解決する、売り方改革の手法として注目されているワケです。

 ただし、セミナーや書籍の多くで語られているのは、「BtoBマーケティングがなぜ必要か?」という理屈だけで、具体的な解決手法は「だから、デジタルツールを導入しましょう」というものがほとんどです。

 確かにデジタルツールは、継続した仕組み化には非常に有効です。しかし、残念ながら、デジタルツールを導入するだけでは、BtoB企業の営業課題は解決しません。その理由は、前述の通り「BtoB企業は、Webだけで簡単には購入いただけない高度で複雑な商材を、複雑な商流で取り扱っている」からです。デジタルツールは、状況を可視化して、効率化するための手段にすぎないのです。

では、どうすればよいのでしょう?

BtoB企業の「売り方改革」 
肝は「マーケティング」+「コンテンツ」「アウトソース」

 実は、営業活動がうまくいっている企業と、なかなかうまくいかない企業には、ある共通項があります。
 うまくいっている企業に共通していることは、

A. 経営者から現場担当者までが「マーケティング」の必要性を正しく理解し、目的を持ってツールを導入・活用している

B. 「コンテンツ」と呼ばれる商談時に必要な営業情報の制作と発信を、しっかり計画的に行っている

C. その制作は適正な予算をつけて、専門のパートナー企業に「アウトソース」している

 という点です。
 このA ~ Cのいずれかができていないと、見込み顧客に正しく訴求できず、また、一過性の取り組みになってしまい持続できない、という事態に陥ります。そして、BtoB企業が売り方改革のためにBtoB「マーケティング」 の考え方を理解し、あるいは組織化して、デジタルツールを導入して、いざ実行、となった際に必ずぶち当たり、行き詰るのが「営業情報発信=コンテンツ」です。

 逆に、うまくいかない企業に共通していることは

D. 経営層が過去の成功体験にとらわれ、あるいは誤解していて「マーケティング」の必要性を理解していない

E. 場当たり的に「営業情報=コンテンツ」を制作、発信している、あるいはまったく発信できていない

F. 費用をかけたくないと内製にこだわり、質の低いコンテンツを作り、 量産できず現場で活用できていない

 といった点です。
 この「営業情報発信=コンテンツ」については、多くのBtoBマーケティング関連書籍やセミナーでは必要性こそ説かれていますが、「どうやって作ればよいのか」「どういうタイミングで、何を発信すべきか」といった情報が極端に少ないのが実情です。

 また、Web上で展開されるデジタル(オンライン)コンテンツに関する情報ばかりで、商談現場や展示会、セミナーなどで配布されるオフラインコンテンツに関する情報はほぼありません。オフラインコンテンツは効果測定が難しいため、“マーケティング視点“からすると邪魔者扱いなのです。しかし、実際のBtoBでの商談において、オフラインコンテンツの存在感と重要性は、無視できるものではありません。このギャップもまた、BtoBでマーケティングがうまくいかない理由の一つです。

 この本でご説明するBtoB企業の“売り方改革”は、そういった従来型のマーケティングでスルーされてきたコンテンツの作り方と、意図的に無視されてきたオフラインコンテンツの扱い方も含めて、マーケティング思考の本質を理解し、効果的なコンテンツ(営業情報発信)を効率よく作成していくための手法を解説しています。

BtoB企業の「売り方改革」
経営層とマーケティング、営業推進担当者が理解すべきこと

 いまの時代、「良い製品、サービスを作れば売れる」「営業は気合と根性と足で稼ぐ」といった従来型の営業手法では、新規顧客の開拓どころか、既存顧客からも商談機会を生むことすら難しいことは、すでに多くの方が気づいていると思います。それを払しょくするための新たな営業手法「マーケティング」において、思わぬ障害となるのが、日本の多くのBtoB企業に見られる「奥ゆかしさ」です。

 これまでのお得意様相手のビジネスでは、積極的に自社の強みをアピールする機会はほとんどありませんでした。お客様の相談ごとに粛々と対応していれば、しっかりした製品やサービスの機能を提供していれば、長年のお付き合いの中で良さに気づいていただけたからです。しかし、これからは積極的、能動的に「営業情報=コンテンツ」をきちんと発信していかなければ、新たな見込み顧客から「自分が何者なのか、何が得意でどのような価値を提供する企業であるのかをきちんと自己紹介しない“よくわからない会社”」と見なされ、気づかない間に「予選落ち」してしまうのです。

そして、現場がその「営業情報発信=コンテンツ」の重要性や必要性に気がついたとしても、経営層が予算化を渋れば、営業スタッフは本来業務の時間を割いて手作りの営業資料を内製せざるを得ません。その結果、目の肥えた市場の新たな顧客層に相手にされず苦戦が続き、価格競争の中でどんどん、消耗していきます。

  • コーポレートWebサイトは知り合いに安く作ってもらった。問い合わせなんて来ないから放置している。
  • 営業資料は社内で手作りして、「下請け業者」にデザインだけ、印刷だけを頼んでいる。
  • 新規開拓は営業スタッフに必死にテレアポさせている。

 これらに一つでも当てはまる場合は、赤信号です。

 売り方“改善”ではなく、”改革”と呼んでいるのは、営業活動業務にこそ、BPR(ビジネス プロセス リエンジニアリング)が必要になっているからです。

 経営層は、自社事業の発展の原動力である営業活動において、その仕組み化である「マーケティング」の重要性を正しく理解し、かつての「売り込み=アウトバウンド」から「問い合わせをもらう=インバウンド」への移行と、そのための「営業情報発信=コンテンツ」制作を、プロの専門家にコストをかけて「アウトソース」する必要性を理解してください。

 そして、それを遂行するマーケティングや営業推進などの現場担当者は、そのプロの制作会社を知り、見極める力と、パートナーとして円滑に協力、協働してもらうためのコスト感覚と、アウトソーシング能力を身に付ける必要があります。

 この本が、貴社の“売り方改革”の第一歩となれば幸いです。

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